暮らしの場での医療行為の解釈の見直し
|
暮らしの場での医療行為の解釈について
groupトップ
例えば神経難病患者の喀痰吸引など、頻繁に医療行為を必要とする場合などは、家族に24時間の多大な負担を帰すことになります。また当然のことながら、「自宅」以外の暮らしの場である介護施設や学校等修学の場に、充分な医療職が配置されているわけではなく、家族もまたいつも付き添えるわけではないのが現実です。従って、暮らしの場で、これらの医療行為を医師・看護師や家族しかできないものとして扱い続けることが、医療機関から自宅・施設への退院移行や修学の機会を大きく制約することになり、療養する側からは、安全の確保について十分な研修や教育が実施され、緊急事態に対処できる体制が整えられれば、「退院後の日常生活の維持に欠かせないケア」は「生活支援行為」として、医療従事者でない家族や家族以外のものであっても実施できるものとして取り扱うべきだとの意見が以前から根強くありました。実際、医療職の配置が少ない介護施設では、やむをえず明確な基準のないまま、介護職など非医療職が医療行為を担っている状況が常態化していました。
これまで法律的には「違法性の阻却」(目的や手段の正当性、患者利益の尊重による法益侵害の軽微性、緊急性などにより違法性を問わないという考え方)の観点から取り扱われてきたが、ひとたび事故が生じれば違法行為であることに変わりはなく、自宅や施設での医療行為の実施についての指針が求められてきました。